「貴方の前には、ドアがあります。
あくまの作った不思議なドアが・・・・」
「なんだそれ?」
「なんでもない。で、次は何なんだ」
「そうだなぁ。ま、ある意味悪魔のドアの向こうかもな」
第2位 時は準宝石の螺旋のように 匿名投稿
55.34ポイント
「沙織って子は、栞ちゃんだったんだな」
「永劫の流れを横切り螺旋を描いて相沢君の元にやってきた訳だ」
「うーん……」
「案内役が首を捻っていてどうするんだ」
「だってさ、栞ちゃんは消えて、でも沙織って子は多分その前から存在していたんだろ? 辻褄が合わないじゃんか」
「時間流を一つだけと規定してしまうからそう思うのだよ」
「んー、栞ちゃんは実は時間を遡ってた、ってことか?」
「まあ、その辺りの解釈は丸投げな訳だが……」
「……もちっと詳しく、勿体付けないで解説お願いします」
「まあ、僕の解釈が当たっているとは限らないがね」
「なんでもいいから」
「彼女は一旦亡くなったが、魂は時間と空間の螺旋を辿り、また以前と近いところに帰ってきていた。相沢君の時間軸としては二重になっているが、彼女の時間軸では一続きなんだ」
「……」
「まあ、君の言うとおり、彼女が時間旅行をしていたと考えてもいい。こっちの方が当たっている気もする」
「……わかんないなぁ……」
「君が首を捻りながら歩くのは漫画的だな」
「そうかあ? ま、そろそろ気分を切り替えよっと」
「あっさりしてるな……ときに、見せたいものは他にもあるのか?」
「ああ。とっておきの奴が残ってるぜ」