「夢。
夢を見ている。
暗い部屋の中で、ひとり身体を抱いて震える夢だ」
「いや、その夢は怖いから」
「夏の夜の惨劇は定番だからね」
「それはそうだけどさ、オレはこんなのの方がいいなぁ」
第1位 真夏の夜の夢 く□:彡G さん
59.51ポイント
「ハッハッハッハハハ」
「……おーい」
「ははははははははは」
「もしもーし」
「はは……失敬。いや、笑った」
「ま、まあ、迂闊すぎだよなー。でも、らしいって言うか」
「それは失礼だろう」
「いやでも……なんか死んでるのに緊張感ないなぁって思ってたら生きてるとか……栞ちゃんぽいかなって」
「後で美坂さんにどつかれないように気を付けたまえ」
「ひっ……あ、でもお前だって笑ってただろうっ」
「僕は楽しい話を素直に楽しんだだけだよ」
「くっそー。ま、でも、いいや」
「ん?」
「いっつもむっつりしてる久瀬が笑ったからな。とっておきだけのことはあったろう?」
「……ああ、そうだな」
「さあて、今晩のお話はこれでおしまーい」
「ふう……そうか。じゃ、僕は生徒会の仕事に戻るよ」
「ああ。呼び出して悪かったけど、楽しめたろ?」
「うむ。いい話だった。難を言えば……」
「ん?」
「僕の話がなかったことが残念だがね」
「それはまー、次頑張ればいいことさ」
「……よく分からんが、そういうことにしておくよ」