10位――
二人の旅のお話――
「えーと、近所の田中さんと鈴木さんかもしれないお話?」
「絶対違うよ……」
第10位 雲と 飴玉と 涙を 丘から 涅槃へ 匿名投稿 60.15pts
「美汐ちゃんと祐一君だよね……一回も名前は出てないけど、きっと」
「うん。それで、わたしも桜は好きだけど……」
「春を追いかける……凄いよね」
「靴の底が薄くなっちゃうくらいに、だって。すごく楽しそうだよね〜」
「うん、ボクも一回くらいやってみたいなって思うよ」
彼らの行動に素直に感心している二人。
春……桜を追いかけ、旅を続けること。――子供たちも憧れる、ある意味無邪気な行動。
それは、帯びている悲しみとは相反にあるような行動。
その心情は、文章で表現されている。
「でも、ちょっとボクらには難しかったかな?」
「そうかも。ほら、感想にもこんなことが書いてあるんだよ」
「えーと……淡々としていた、雰囲気が良かった、良く分からなかった……?」
「特に淡々としてて雰囲気がいいって……なんだかちょっと面白い感想だよね」
その分状況説明が多くなっているのが、人によっては嫌う要因になってしまうのかもしれない。
初めての感想解説にドキドキしながら、二人は次のお話へ。
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