9位――
浪漫溢れるお話――
「ブルマ?」
「ブルマだって」
「凄いブルマなの?」
「……わかんない」
第9位 この果てしない大空より蒼く美しいブルー つうじいさん 61.50 pts
「とりあえず履いてみたけど……普通のブルマだよね」
「うん。……何なのかな? このお話」
小首を傾げて、二人で考え込む。
そんな二人を、少しだけ大きな二つの影が覆う。
――ロングヘアの少女と、カチューシャをつけた少女。
「分からないんだったら、お姉ちゃん達が教えてあげるよ」
「え?」
「誰?」
「お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ。ほら、遠慮しなくていいから、ね?」
「う、うん」
「お願いしますっ」
では、とロングヘアの彼女が小さく咳払い。
そして、息を吸う。
「あのね。特別なブルマじゃないんだよ。ブルマが特別なお話なんだよ。今は分からないかもしれないけど、ずーっと後で、きっとそんな人を知るようになると思うよ?」
「え、ボクもそんな人に出会うの?」
「出会うっていうより……色んな男の子がそうなるってことかな? 祐一君だって、北川君だって。昔はそんなこと気にしなかった筈だよ」
「うーん、わたしにはよく分かんないよ、やっぱり」
「分からなくてもいいと思うけど……要するに、男の子は馬鹿ってことかな?」
「あ、うん。それならボクも分かるよ」
「わたしも……そういうお話なんだね……」
ようやく言葉の意味がちび二人に届き、少女達――大きい二人は微笑む。
その笑みに、小さな苦笑いを含みながら。感想をぱらりとめくりつつ。
「だけど、そんな馬鹿な時でも、一生懸命だからたまに凄く素敵に見えるんだよね……」
「……うん。ただ、駄目だとやっぱりただ馬鹿だなぁってしか思えなくなるけどね」
そう締めくくって、二人はその場を離れた。
後に残された二人は、いそいそとブルマを脱いで、次のお話へ。
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