ボート

作者:いくみさん   第 9 位(52.26 pts)

Manukeさん (7点)
お話の展開はなかなか悪くないですね。最後の段落が良い味を出しています。
ただ、北川君が何でも知っていて香里の全てを理解できるキャラクタという印象で、やや都合が良すぎるようにも感じられました(^^;)

むりさん (5点)
>「まあ、でも、ベッドで香里を昇天させた数は二十回は軽く」
 女性をきちんと昇天させられる時点で男としては有能だよなぁ、と思いました。
 北川君はそれを特技として誇っても許容される気がします。香里にはぶん殴られるでしょうが。


 過去の痛みなんて所詮過去の痛みでしかなく、時の移ろいと共に緩和されゆくものである以上、美坂香里がその痛みと向き合えたことは必然であって。
 果たして彼女の妹が、もしも今このときに、今際の際の姿で立ち顕れたとすれば――彼女はどんな言葉を掛けられるのでしょう。
 その首に編み上げたマフラーを巻いてやれるのでしょうか?
 それとも、


 それは途方もない、抜身の刃と向き合うような勇気を要するものであって、
 彼女がボートを漕いでいるなら、後ろ向きなら、その刃の位置を確認することが出来ないのなら、栞の姉ではいられないのだと思います。


 ですが、そんな彼女の役割を、北川は肩代わりするのだと言ってあげた。
 がむしゃらにオールを引き抜く役目を、自分が成すのだと誓約した。
 ならば、
 自分の罪と向き合うことが、一朝一夕にはけして成しえない偉業だとしても。


 ありがとう、――と。
 2月1日の青い空から、華やいだ彼女の声が、聞こえたような気がしました。

かきさん (7点)
 これ好きだなぁ。
 文章も内容も軽快で実に小気味好いです。
 難しいことも深く考えるようなこともなくて、ただ、ああ面白かったなって思える話。実は結構貴重な気がします。
 気になったところ。中盤、栞の墓のシーンはもっと書き込んで欲しかったです。ちょっと簡単にいき過ぎだと思う。
 あと、ボートうんぬんは作品独特の味を出すために後から無理矢理くっつけたような印象。
 でも、そういう不満点がぶっ飛ぶぐらいにラストが素敵でした。さあ、幸せになろう。いいなぁ、この終わり方。
 初こんぺにして上位おめでとうございますイクミさん。割と昔から仲良くしてもらってる身として、何か鼻が高いぜ。

LM_STACKさん (5点)
予定調和的ですが、よいお話でした。
北川君が病院を訪れていたという設定が珍しいですね。

琴吹 邑さん (4点)
オープニングの名雪がちょっと幼すぎるかなと思います。
さすがにいきなりは泣き出さないと思うんですけど、どうでしょう?

後半栞のお墓でのシーンはもう少しタメがあった方が良いかなと思いました。
ちょっと性急すぎる印象を受けました

誤字報告です。
涅槃ちゃんと更生してきてね
以外にも

Foolisさん (7点)
>「そしたら栞ちゃんがものすごい目を輝かせながら色々聞いて来るんだよ。馴れ初めとか、デートの仕方とか。だから、俺の脳内でシミュレートされていた出来事を話してあげた。めっちゃ喜んでたよ。『ドラマみたいです!』って」
爆笑しました。
あと最初の部分が微妙に好きでした。
ただ告白シーンはもうすこし描写がほしかったかなぁ、と。
それが残念でした。

ebiさん (6点)
まず香里と北川のやり取りが大好きです。落とし方も好みでした。
ただ、物語に密度は感じるんですが、それが小さな器での濃度のような気がしました。だからこそ、二人のやり取りが生きているとも思うんですが……。容量的にももう一回り大きな枠組みで書けそうなので、そんなことを思ってしまいました。

PFRさん (4点)
 共依存という言葉が示すとおりの、閉塞感たっぷりのだらだらとした生活の描写は退屈ですが、時折そこに情感のある文章や台詞が紛れ込むことによって織り成されるコントラストは見事。たぶん狙ったのでしょう。その効果が最も出ている最後の一文は、軽々と言っているからこそ逆に重みが出ていて気に入りました。

竹仙人さん (9点)
 やさぐれ香里とネジのゆるんだ北川コンビの織り成す空気がものすげえアグレッシヴなんですけど、それがまたいい。大好きです。
 北川と香里がおかしいのか筆者がおかしいのかはたまた狙い通りなのか、真面目な会話してるシーンなのに何回も噴いてしまいました。
 これはもはやセンスだ。羨ましい!

まてつやさん (4点)
 タイトルが弱いと思いました。
 えー、結論それかぁ。と個人的に残念でしたー。

つうじいさん (7点)
今回一番ギャグの才能を発揮している作品だと思います。
ストーリーは地味で、20KB強と短いし、特筆するものはないのに・・・(すみません)
台詞回しだけでここまで面白いとは恐れ入りました。
かなり適当に書いてあるっぽいのが逆に、作者様に私との才能の差を見せ付けられたようで泣きそうです。
同じ香里と北川のSSで参加してるだけに羨ましさが倍増ですよ。コンチクショーめ。
またこういうのを書いてください。

衿元馬桜さん (5点)
北川×香里モノとしては、かなり平均的な出来かと思います。僕自身そのジャンルの平均を知らないので何とも言えないのですけど。じゃあ言うなって話ですね、はい。
香里のOLぶりが現実に則しているかどうかはまた別の話として、この路線でいくなら会話主体のコミカル系よりも、モノローグ先行ダウナー系の方が好みですね、僕の(苦笑) 北川と香里の爛れた同棲生活が見たかったです(笑)

匿名希望(25、リーマン)さん (5点)
 今回はその後の北川&香里が多い気がした(笑)。この二人が付き合い始めると、爛れた関係になるかバカップルになるかどっちかで、普通に平和な二人になる率が低い気がするのはどうしてだろう。
 でもこのSSにおいては、さっぱりとした結末が用意されていて、いいなって思いました。
 北川はいいセンスしてますね。いろいろと笑った(笑)。あと、ボートについての祐一にも笑った。

えびふりゃーさん (3点)
全体的には雰囲気とか掛け合いとか良い感じのSSですね。
ただ、作品としては致命的と言わざる得ない欠点があります。
それは
>で、お前は彼女の死に目にも〜
からの部分
つまり山場ですね。
そこがあまりにも軽すぎます。
チープと言い換えてもいいかもしれません。
そこまでは気持ちよく読めていたのにそこで興冷めさせられました。
描写とか演出のしかたとかの表現があまりにも雑というか軽いので、北川の言葉とか全く重みがないんですよね。
しかも、そんな重みのない言葉で香里の頑なな心が動き出すのが、もはや追い打ちです。
せっかくの山場で、せっかくの良いシーンになる場面なんですから、そこの部分にこのSS全ての力を注ぎ込むぐらいの気持ちで書いて欲しかったです。
たったの一場面で評価を全てふいにしてしまった様に感じるだけに、非常に残念に思いました。

KATUOさん (4点)
ちょっと香里と北川の性格に違和感ありすぎです。
プロポーズのシーンは雰囲気も何もなく、一体どこらへんがプロポーズ?? って感じでした。

Natsuさん (7点)
軽快で面白い文章に適度な長さ。中編らしい中編ですね。お手本にしたいです。
良くも悪くも捻った作品の多いこんぺでこういうのがあるとホッとしますね(笑)。

コンタミンさん (9点)
これは大人にしか書けない話だよなあ、と思っております。
夢だとか理想だとか、大切にしてきたはずのものを少しずつ捨てていって、最後に残ったのは裸の自分。
まあいいか。幸せになっちゃえ。
そんな感じ。
墓前のクライマックスも素敵でした。



有効票24 
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3 点2(8.33%)
4 点5(20.83%)
5 点6(25.00%)
6 点3(12.50%)
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