僕と、シオリと、スケッチブックと。

作者:えりくらさん   第 1 位(59.96 pts)

Manukeさん (7点)
お話の出来自体が悪いというわけではないのですが……。
名字の『美坂』が漢字で名前の『シオリ』のみがカタカナだと、この時点で『彼女』が美坂栞ではないのだろうというヒントになってしまいます。
スケッチブックがらみの部分も少し意外性に欠けるかな?
物語の展開は良い感じでした。

じゅうさん (7点)
アイデアや構成のみならそれほど目新しい話でもないでしょう。
しかし、丁寧に言葉を選んで肉付けされたおかげで読ませる作品になっています。
主人公のキャラ付けが特にいいですね。

はむさん (10点)
おー、これはよいですね。今回のこんぺで一番上手いと思いましたですよ!
展開もグイグイ引っ張って盛り上げてくれて面白かったですねー。この引きの良さは十代級ですよゴッドドロー!
僕みたいな不肖の輩でも一気に読めましたよ。
叙述トリックも効いてますねこりゃ一本取られました!
しかも実に丁寧な作り。いちびりたちの鑑賞にも耐える品質でしょう。

丁寧で! 上手くて! しかも上手いだけじゃなくて展開も文章も面白い! こんな作品、今時珍しいかもしれないッッ!(マテ

栞が死んだ後、香里が栞になりきろうとするってネタは、僕も考えてました。うわっ、先を越されてしまった――(死
一見して「そんなこと言う人嫌いです」とか「えへへ、恥ずかしいです」とか香里が萌えキャラ風の一人称テキストと台詞を喋るのに、
実は全身から狂気が漂っているみたいな感じで描こうかなーと。書かなくてよかった、叩かれる(汗)
香里は純真な少女のように愛らしくも切ない役どころがよく似合いますね。
ただ、ちょっと種明かしが早かったかなーっとも思いました。(ちょっとあっさりすぎた?)
グイグイ引っ張ってただけに「!?」って感じでしたから。
それだけ引きが巧みだったという証拠でしょう。こりゃ参ったぜドゴーン! なんて釣り師だギョジンさん!
もっとぐいぐい引っぱって、物語の深くまで引き込んで2,3日は引き摺るようなくらい引っ張って欲しかったと贅沢な要求してみます(ぉぉ
展開で酔わせる作品というものに飢えている僕としては、大当たりの作品でした。ありがとほ。
作者の方を知ってる気がしないでもない・・・。
だめだ作者予想なんてできん・・・。でも一位は取れそうな素敵作品、天晴れ。

この作品には! 神の一体! 『オベリスクの巨珍兵』を進呈するぜワハハハハ!
受け取れぇぇぇぇい!(ドピュ☆)

かきさん (9点)
 45kbでこれだけ出来るんですね。正直驚きました。
 恐らくは話の核として準備されたであろうミスリードも上手く効いていたと思います。
 ただ、わざわざ「シオリ」と表記しなくても良かった気はします。それのせいであー多分栞じゃなくて香里なんだろうなって何となく予想できちゃう。
 この話ぐらいしっかりと書かれていれば、文中で「栞」と断言されていても卑怯だなんて思いませんぜ。
 文章にしろ内容にしろ致命的に好みなんですが、一点だけ、ラストをもっと書いて欲しかった。それまで仔細に描いてきたものを投げっぱなしジャーマンされた感じが。
 まぁでも多分作者さんつーかえりくらさんは、こういう終わり方が好きなんでしょうね。その辺りは好みの違いなのかなぁ。
 すっげえ悔しいんだけどまた高得点です。ちくしょう。
 3位以内には確実に入ると思います。おめでとうございます。ちくしょう。

LM_STACKさん (5点)
多重人格症寸前の香里を描いた、なかなかグロテスクな話ですね。

琴吹 邑さん (8点)
完全にだまされました。
ミスリードに引っかかりまくりです。

お話もテンポ良く進み面白く読みやすかったです。
うまいなあと思った作品でした。

Foolisさん (8点)
途中の墓のシーンでほんとにやられました。
こうくるかーと感嘆。
香里の独白シーンもよかったですし、面白かったです。
ただ、最後、あっさり風味にしたかったのはわかりますが、ちょっとさみしかったのが個人的に残念だったかなぁと。
でも非常に高いレベルでまとまっていたと思います。
よかったです。

ebiさん (10点)
読み終わって、くそぅーと思いながら10点をつけました(笑)悔しくなるぐらい、面白かったです。はい。

PFRさん (7点)
 わざわざシオリと表記しなきゃいけないわけがあるんだろうなーと考えて、叙述トリックを用いるにあたってアンフェアにならないようにするという以外に理由を思い浮かべることができず、だとすると美坂は漢字で書いているからシオリの正体は香里だろうと考えて読み進めていったら、まさにそのとおりだった。という感じなので、狙われているであろう効果は発揮されなかったように思います。それが欠点であるとは思いませんが。欠点というなら、偶然名簿を発見したり偶然名雪を街中で見かけたり、というふうに偶然が目立つことのほうが気になります。あと香里がちょっと感傷的すぎる気もします。
 とはいえそれらは些細なことで、非常に上手で面白い作品であったと思います。個人的に凄いなと思ったのは、名雪がきわめて自然に大人なキャラとして描かれていること。それと「そして、僕は幽霊を見た。」という言い回しが何故だか気に入りました。

最中さん (7点)
 気になったのは、どうしてこの物語でこんなに癖のある作風にしてしまったのかなということで、ちょっと考えてはみたのですが、結局分からずじまいでした。
 綺麗に纏めるのであれば、もっと素直なものでよかったように思うのですが(そういうものとして書いた可能性も捨てきれないのですけど、う〜ん、たぶん違いますよね)。
 ちょっと反面教師的な作品だなあと思いました。

竹仙人さん (6点)
 変化球ではなく、おしゃれで小粋なド直球だと思いました。
 手垢のつきまくった題材でも飾り付けによってはまったく問題なく仕上がることを再認できました。
 いやしかし、スマートだ……。

つうじいさん (6点)
単純に読み物としては面白かったです。
香里を蝕む狂気もうまく表現されていました。
伏線もいい具合にきいてました。
気になるのはまず時間の流れ、1ヶ月間くらいに絞ったほうがよかったかと。
あの長い期間を二人で何して過ごしたのかがよく分からないです。
あとラストの主人公の考え方。
最初の書き出しとラストの一文。特にえらくあっさりとしたラスト。
主人公が死ぬ前に思い出すという考え方になったのか伝わりませんでした。

匿名希望(25、リーマン)さん (7点)
 全体的に青臭さがあって、そこが魅力なのかなと思いました。最後の一文は良かった。
 ただ全体として何か不完全な部分があるというか、後半の種明かしが始まってからの展開のおかげで、前半のやたらと感傷的な雰囲気が損なわれてしまっているような印象があります。
 それでも最後で盛り返す不思議。

えびふりゃーさん (7点)
全体的にソツがなく纏められていて、非常に綺麗な作品だったと思います。
ただ、それだけにパターンとして先が読めるのが痛いですね。
型にはまりすぎているので作者さんの個性があんまり感じられません。
でも、悪いってほど悪いところもないので評価の仕方がとても難しい作品でした。

KATUOさん (6点)
普通にだまされました。
幽霊ものかと思いきや、おお! って感じです。

だけど、んー、それ以上の何かを感じることができる話ではありませんでいた。
主人公にあまり共感できなかったことが残念です。

Natsuさん (9点)
ミステリとしてはほぼ完璧な構成です。読めば読むほど味が出るというタイプの作品ですね。
幽霊というオカルトな題材ながら結末ではしっかり説明がついてるし、読み返してみると、年上と言われたときのシオリの反応や髪の長い女が来る直前のシオリなど、初読では気づかなかった伏線が随所に見られて感服しました。
文章にいたっては言う事ありません。適度に読みやすく、それでいて作品の雰囲気に合ったやや詩的な表現。文句なしに上手いです。
ただ、名雪の髪の色を描写できなかったのはちょっと痛かったかと思います。まあこれは大した意味も無く変な髪の色にするゲーム設定が悪い、と言っておきます(笑)。
それからページを分けたせいで終わりが見えなくなってるので、分けないでほしかったとは思います。

コンタミンさん (10点)
優勝候補の筆頭で間違いないと思います。
名雪の一言から、糸が解けるようにするすると真相が明らかになる展開がたまりません。
ゾクゾクしました。
また会話に全くと言っていいほどギャグが入っていなかったのも、よかったと思います。
今にも切れそうなほどに細く張った、透明な緊張感が保たれていました。
本コンペ唯一の10点を進呈します。



有効票22 
1 点0(0%)
2 点0(0%)
3 点0(0%)
4 点1(4.55%)
5 点1(4.55%)
6 点3(13.64%)
7 点9(40.91%)
8 点3(13.64%)
9 点2(9.09%)
10 点3(13.64%)


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