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「美坂さんって、相沢君のことどう思ってるの?」

 放課後。

 ゴミ箱に溜まっていたゴミを焼却炉に捨て、戻ってきた私にかけられた言葉がそれだった。

 学年は三年に上がったけどクラスは持ち上がり。

 それでも最初のHRで行われた席替えによって私は名雪や相沢君とは席が離れてしまった。

 当然、席が変われば班も変わる。

 話し掛けてきたのはあまり話したことの無い同じ班の子。

 別に意識して話さないわけじゃなくて、ただ切っ掛けが無かっただけだけど。

「相沢君?」

「そう、相沢君」

 相沢祐一。

 親友の従兄妹。

 仲の良いクラスメイト。

 そして、

 妹の、親友の想い人。

「………どう、思ってるって?」

 今、教室に残ってるのは私と同じく掃除当番だった子と、少し離れたところに居る数人だけ。

 だから、だろうか。

 こんなことを聞いてきたのは。

「どうって………好きとか、嫌いとか?」

 どうして疑問形なのよ。

「………仲の良いクラスメイト。それだけよ」

 何故こんなことを聞くの?

 そんなことを聞いて一体、どうしようと言うの?

「ホントに?」

「どうして?」

「だって。美坂さんの事、名前で呼ぶのって相沢君だけだよ?」

「名雪にだって、名前で呼ばれてるけど?」

「男子でってこと」

 あぁ、そういえばそうかもしれない。

 思えば私のことを名前で呼ぶのは名雪とあゆちゃん、佐祐理先輩と舞先輩と、相沢君だけね。

 その中でも呼び捨てにするのは名雪と舞先輩と、相沢君だけ。

 ………そういえば、真琴ちゃんは私のこと、何て呼んでたかしら。

「お昼、一緒に食べてるし」

「名雪と私の妹も一緒だけど?

 それにいつもってわけじゃないわ」

 週二回だもの。

「休み時間とか、楽しそうだし」

「迷惑してるのよ? 私は」

「結構楽しそうだよ?」

「それは気のせい」

「………ふぅ〜ん、そっか。

 じゃあ美坂さんは相沢君のこと、好きじゃないんだ?」

「………えぇ。好きじゃ、ない」

「ん、わかった」

 そう言って彼女(そういえば名前、なんていったかしら)は私に背を向けた。

「待って」

「ん? なぁに?」

 呼び止めたはいいものの、私は何のために呼び止めたのか。

 何を聞こうと―――

「どうして、そんなこと聞いたの?」

「あ、言ってなかったっけ?

 美坂さん、綺麗だし、頭良いし。

 もし、そうだったらちょっと困るかなって」









 そして―――









「私、相沢君のこと、好きだから」

 微かに頬を赤らめ、少し恥ずかしそうに小声で言った名前も知らない彼女は

 とても綺麗だった。







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